【MS61】1817年 イギリス ジョージ3世 1ソブリン金貨
大英帝国の貨幣史を塗り替えた、記念すべき初代ソブリン金貨!
200年以上にわたり愛され続ける「聖ジョージの竜退治」が初めて刻まれた偉大なる初年号です。
絶大な人気を誇るイギリスコインから、
特に「歴史的重要性」と「状態」に秀でた人気金貨のご紹介になります。
■デザイン
表面:月桂冠を戴いたジョージ3世の右向き肖像
銘文:GEORGIUS III D G BRITANNIAR REX F D(訳:神の恩寵によるブリテンの王、信仰の擁護者ジョージ3世)
裏面:聖ジョージの竜退治図
銘文:HONI SOIT QUI MAL Y PENSE(訳:悪意を抱く者に災いあれ ※ガーター勲章のモットー)
刻印師:ベネデット・ピストルッチ
本貨の意匠は、英国貨幣美術の頂点として今なお語り継がれる天才彫刻師ベネデット・ピストルッチの最高傑作です。1815年に英国へ招かれたピストルッチは、それまでの伝統を覆す革新的な「ギリシャ風」の聖ジョージ像を創り上げました。イタリア人の召使いをモデルにしたとも伝えられるこのドラマチックな図柄は、ヘルメットとマントをまとった聖ジョージが折れた槍で竜を屠る躍動的な瞬間を捉えています。
ピストルッチの手によって生み出されたこの意匠は、単なる貨幣の域を超え、「手のひらの上の芸術作品」として世界中のコレクターを魅了してきました。時代を超えて色褪せないその美しさは、現代のソブリン金貨にも受け継がれ、世界中で揺るぎない支持と注目を集め続けています。
■状態
MS61
■コイン詳細
【発行年】1817年
【発行国】イギリス(グレートブリテン及びアイルランド連合王国)
【額面】1ソブリン(1ポンド)
【発行枚数】3,235,000枚
【素材】金
【重量】約7.98g
【直径】約22.05mm
【表面】月桂冠を戴いたジョージ3世の右向き肖像
【裏面】聖ジョージの竜退治図
【刻印師】ベネデット・ピストルッチ
【NGC鑑定】MS61
■ポイント
*希少性
”NGC鑑定枚数259枚”
本貨の最大の特徴は、1816年の貨幣法(Coinage Act)によって誕生した英国近代ソブリンシリーズにおいて、記念すべき「最初の年号(ファーストイヤー)」であるという点に尽きます。
それまで流通していた21シリングのギニー金貨に代わり、より計算しやすい20シリング建ての新1ポンド金貨として1817年7月1日の布告により誕生したのがこの新ソブリンです。これは単に新しいコインが発行されたということにとどまらず、金を本位貨幣とする英国の「金本位制の確立」を象徴する歴史的な1枚であることを意味しています。
発行枚数は約323.5万枚と記録されていますが、導入当初は小額紙幣に慣れていた人々の間に浸透するのに時間がかかり、さらに為替の影響で多くがヨーロッパ大陸へと流出してしまいました。当時の銀行家が「流通で見かけたことがない」と報告したほど、実務上は国際決済や輸出にも強く意識された金貨でした。
激動のナポレオン戦争終結後、タワー・ヒルに新設された造幣局にて、最先端の蒸気動力プレスを用いて打たれた本貨は、産業化する英国が貨幣制度そのものを近代化した現場証拠そのもの。この「初年号」という揺るぎない歴史的属性が、本貨の価値をより一層確固たるものにしています。
*状態
”NGC第9位鑑定”
200年以上の歳月を経た現在においても、当時の金貨の風格を色濃く残した、貴重な未使用状態を維持している1枚です。本来、実用通貨として実際の流通を前提に製造されたソブリン金貨は、長年の使用や袋詰めでの保管によって擦れや接触痕が出やすい特徴を持っています。そのため、摩耗のない「未使用(Mint State)」のレンジに留まっているものは非常に限られています。
本貨のグレードはMS61。金貨特有の豊かな光沢を宿しながら、歴史の重みを今に伝える優れた保存状態です。
上位グレードへ向かって価格帯が跳ね上がるソブリンシリーズにおいて、コレクションの基本であり最も人気の高い「初年号」を、摩耗のない未使用状態で確実に押さえられるという確実性と満足感こそが、こちらのコインが持つ状態面の大きな価値と言えます。
*市場性
ソブリン金貨は、長年にわたり国際商業を支え、「世界で最も認知された英国金貨」として流通してきた存在であり、アンティークコイン市場においても最高峰の人気と流動性を誇る代表的シリーズです。1817年の誕生以降、大英帝国の経済発展とともに世界各地で使用され、その圧倒的な知名度と信頼性が、現在に至るまで揺るぎない市場評価を支え続けています。
本品が発行された1817年は、ナポレオン戦争終結後の再建期にあたり、英国が金本位制のもとで貨幣制度の大改革を断行した記念すべき年です。この時代に君臨したジョージ3世は、旧来のギニー金貨と新制度下のソブリン金貨の双方に肖像が刻まれた唯一の国王として知られ、本貨はその歴史的転換点を象徴する「初年号(ファーストイヤー)」という特別な地位を有しています。
ジョージ3世のソブリン金貨は1817年から1820年までのわずか4年間のみ発行されましたが、このシリーズの特徴として挙げられるのが、年号や保存状態による評価差の大きさです。なかでも1819年銘は発行数が極めて少なく、オークション市場では数千万円規模で取引されることもある別格の存在として知られています。このように、わずかな年号差やグレードの違いによって評価が大きく変動する点は、初期ソブリンシリーズに対する世界的な需要の高さを物語っています。
そのような市場背景を持つ基幹シリーズだからこそ、本品の「MS61」は、歴史的価値の高い初年号ソブリンを未使用状態で保有できる、極めて現実的かつ魅力的なポジションに位置付けられます。
初期ジョージ3世ソブリンは、歴史的意義、芸術性、そして世界規模の需要を兼ね備えた、まさに英国アンティークコインを代表する王道銘柄です。近年は実物資産への関心の高まりを背景に国際市場での需要も堅調に推移しており、世界中で継続的に売買される高い流動性を有することから、将来的な評価の伸びしろも十分に期待できる1枚です。
その知名度ゆえに、良質な上位グレード品は市場に現れてはすぐに姿を消してしまいます。
在庫があるタイミングで是非お手元のコレクションに加えていただきたい1枚になります。
▼コインのストーリー
■概要
大英帝国の貨幣史を塗り替えた、記念すべき初代ソブリン金貨!
200年以上にわたり愛され続ける「聖ジョージの竜退治」が初めて刻まれた偉大なる初年号です。
■ジョージ3世とは
ジョージ3世は、ハノーヴァー朝第3代のイギリス国王として、1760年から1820年まで実に60年もの長きにわたって君臨しました。彼の治世は、イギリス史上でも類を見ないほど激動の時代でした。まず、即位直後にはヨーロッパの覇権を巡る七年戦争(フレンチ・インディアン戦争)の勝利を収め、広大な海外植民地を獲得し、大英帝国の基盤を固めました。しかし、その後はアメリカ独立戦争で植民地を失うという屈辱を経験します。さらに、フランス革命とその後のナポレオン戦争という、ヨーロッパ全体を揺るがす大動乱に直面し、フランスとの長きにわたる戦争を指揮しました。国内では、織物産業を中心に産業革命が本格的に進展し、社会と経済の構造が大きく変化していく様子を目の当たりにしています。
彼は農政改革に熱心で「ファーマー・ジョージ」の愛称で国民に親しまれましたが、晩年には精神疾患を患い、1811年からは皇太子が摂政として国政を代行しました。この1813年銘の軍用ギニーが鋳造されたのも、彼がすでに病に伏し、摂政統治下にあった時期です。コインに描かれた晩年の肖像は、彼の長い治世と、その時代の困難を乗り越えてきた威厳を物語っています。彼の死後、ギニー金貨は廃止され、イギリスの通貨システムは近代的なものへと移行していきました。ジョージ3世は、近代イギリスの礎を築いた偉大な君主の一人として、今もなお歴史にその名を残しています。
■ナポレオン戦争とは
ナポレオン戦争は、1803年から1815年にかけて、フランス皇帝ナポレオン1世率いるフランス帝国と、イギリスを中心とするヨーロッパ諸国の間で繰り広げられた一連の大規模な戦争です。これは、フランス革命によってヨーロッパの旧体制が揺らぎ始めたことに端を発し、旧来の王政国家と、革命後の新興大国フランスとの間で、政治的、経済的、軍事的覇権を争う壮大な戦いとなりました。
戦争は、アウステルリッツの戦いやイエナの戦いなど、ナポレオンの天才的な軍事指揮によってフランスが初期の勝利を収め、ヨーロッパ大陸のほとんどを支配下に置きました。しかし、イギリスは強大な海軍力を背景に海上封鎖を行い、ナポレオンの通商破壊政策(大陸封鎖令)に抵抗し続けました。スペインとポルトガルでの半島戦争も、フランス軍を疲弊させる要因となりました。そして、1812年のロシア遠征の失敗がナポレオンの没落を決定づけます。
この戦争は、単なる国家間の紛争にとどまらず、国民国家意識の高まりや、新たな軍事技術の発展、さらには経済システムの変革を促しました。イギリスでは、戦争遂行のために巨額の戦費が必要となり、金貨の価値が変動したり、紙幣の発行が急増したりしました。今回取り上げている1813年銘の「軍用ギニー」金貨も、このナポレオン戦争の最中、イギリス軍の現地調達費用として特別に発行されたものです。最終的に、ナポレオンは1815年のワーテルローの戦いで敗北し、戦争は終結しました。この結果、イギリスは世界最大の海洋帝国としての地位を確立し、19世紀の「パクス・ブリタニカ(イギリスの平和)」時代を迎えることになります。ナポレオン戦争は、近代ヨーロッパの政治地図を大きく塗り替え、その後の世界史の展開に決定的な影響を与えたのです。
■ソブリン金貨とは
イギリスの歴史と伝統を象徴するソブリン金貨は、1489年のヘンリー7世の時代に誕生して以来、世界で最も信頼される金貨の一つとして君臨してきました。その名は「君主」を意味し、表面には発行時の国王の肖像が、裏面には伝統ある紋章や、彫刻家ベネデット・ピストルッチによる「聖ジョージの龍退治」などの意匠が精巧に刻まれています。1817年の近代ソブリン制定以降、これらの格調高いデザインは時代を超えて受け継がれ、不朽の芸術品として世界中のコレクターを魅了し続けています。
また、ソブリン金貨は単なる美術品に留まらず、かつての大英帝国の経済力を支えた国際通貨としての側面も併せ持っています。品位は22金(K22)と定められ、その厳格な鋳造精度はイギリス王立造幣局(ロイヤルミント)の誇りそのものです。長い歳月を経たアンティーク金貨には、当時の歴史的背景やドラマが色濃く反映されており、一枚を手に取るだけで壮大な時代の息吹を感じることができるでしょう。
手に馴染む絶妙な重量感と、気品ある黄金の輝きは、資産としての価値を超えた特別な充足感を所有者にもたらします。その洗練された佇まいは、まさに歴史の目撃者と呼ぶにふさわしい風格を備えており、後世へと語り継ぐべき至高のコレクションといえます。





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